ご案内

また、リサーチによって得られるデータは企業にとって価値のあるものですので、そんなデータを提供してくれた人には、きちんと「見返り」を提供すべきです。 リサーチは″Give&Takeです。
これについては本書で具体的方法を提示します。 マーケティング部門もこんな「あやしいリサーチ」(言いすぎかもしれませんが)を自ら行うわけにもいかず、専門の調査会社に頼みます。
もちろん、このリサーチ結果を使って最終的な意思決定を行う経営者や販売現場などに、「データ収集方法」は詳しく伝えられず、結果だけが「消費者の声」という御旗の下で使われていきます。 皆さんも自社のマーケティングリサーチの結果があったら、結果の数字や分析手法よりも、どうやってそのデータを集めたかを聞いてみましょう。
その不思議さにビックリするはずです(このビックリを恐れてマーケティングリサーチはますます閉鎖的に行われるようになります)。 どんな調査でも、「データを使う人が、そのデータの作られ方をここがおかしいマーケティングリサーチちょっとだけ長いまえがき知っている」ことは、基本中の基本中であると、しっかり認識してください。
定量調査のもう1つの問題点は分析手法です。 多くの場合、先ほどのサンプル数の少なさを分析手法のブラックボックス性でカバーします。

マーケティングリサーチではいろいろな調査項目があり、それらが関係しあって1つの結果(「売れた」「売れない」など)を生んでいると考えています。 これら何種類ものデータを分析していく手法を総称して「多変量解析」といいます。
たしかに、マーケティングリサーチにおいては多変量解析の考え方は必要でしょう。 プロのリサーチャーは、どうしても「結果のきれいさ」をベースに手法を選んでしまいます(本書でもいくつかの手法を紹介しますが、実践的で誰でもできるものに限定しています)。
「判別分析(例えば、自社の客を得意客とそれ以外に分ける)」「因子分析』『買わない』に分かれた原因を抽出する)」「クラスター分析(例えば、顧客をいくつかのタイプに分ける)」「マルコフ連鎖(例えば、ブランドのスイッチング確率を出す)」などです。 これらは統計用のコンピュータ・ソフトウェアを買って、使えば簡単にアウトプットができます。
これらの分析手法は確率、関数、行列など、数学の基本的考え方がわかっていないと、絶対に理解はできません。 自分で理解できないものを人に説明することはできません。
その一方でマーケティングリサーチの本にはとてもおもしろいことが書いてあります。 「多変量解析は習うより、慣れろ」です。
慣れていてもその意味を習っていない人に、答えは出せてもその解析結果の説明はできません。 企業において、人に説明できない数字、表、グラフを使うには、「天の声」、つまり真実だと言い張るしかありません。
こうして、手慣れたプロのリサーチャーにアウトソーシングされたマーケティングリサーチの結果は、企業内の多くの人にとっては「天の声」となり、販売の現場などで起こる「本当かなぁ」(きっと本当ではありません)という声もかき消され、企業は一直線に走っていきます。 もちろん、リサーチ結果がどうやって出たのかがわからなかったら、実際にマーケティングを行った後で、その結果の妥当性を検証することなどできるはずもありません(行うつもりもないかもしれませんが)。
検証なき調査結果は精度が向上するはずもなく、何度もぐり返しくり返し同じようなリサーチがなされていくのです。 最後に.経営者の本音「マーケティングリサーチは信用できん!」「マーケティングリサーチは高すぎる」が爆発します。
こうして、リサーチ部門は業績が下がると予算縮小、人員縮小され、業績が上がったときに、余ったカネでなされるという不思議な構造となります。 もちろん、真の姿は業績を上げるためにやることなのですが…。
では、こういった事態に陥らないためにどうしたらよいのでしょうか。 答えは、マーケティングリサーチの結果よりも、プロセスを理解することです。

リサーチの結果を使う人が、その数字がどうやって出たかを理解できないような方法は使わないことです。 じゃあ、エクセルの集計表とグラフだけ使えばいいのかといえば、それではデータを集めたのにもったいなさすぎます。
「相関分析」「回帰分析」という手法(この2つについてはのちほどお話しします)だけは使いましょう。 この手法は「考え方」を理解するのに、それほど前提知識を必要とせず、なおかつ、統計ソフトを買わなくても、表計算ソフト(エクセルなど)の機能で、今すぐにでも使うことができます。
本書では、この考えにもとづき、あえて統計ソフトに頼らずにリサーチ結果を分析する手法を考えていきます。 これなら一般ビジネスマンが誰でも使えます。
1つは「代表性に問題あり」(ネット利用者に偏っている)として、やや否定的なスタンスで「将来的には活用に向かっていくだろう」と逃げるもの。 従来型のリサーチャーの大多数がこう書いています。
ネットリサーチの最大の特徴はローコストです。 いつの世もどの業界でも、ディスカウンターは「業界嫌われ者」です。
もう1つは「ネットアンケートはこんなに使える」というもの。 多くはネットリサーチ会社そのものが著者です。
プロモーションのための本ですので、カラーで美しく、わかりやすく、結論は「ネットリサーチ会社はサンプル数の多さとサンプルの質で選ぶ」となっています(要するに「我が社」というものです)。 どちらも歪んでいますが、正論でもあります。

ネットリサーチとして、すぐに頭に浮かぶものにネットアンケートがあります。 数多くのパネラーを抱えるプロのネットリサーチ会社が行い、サンプル数に応じた料金体系で、安く、速く答えが得られるという長所を持っています。
一方、その反面、「どうもアンケートに答えている人が消費者を代表してマーケティングリサーチ本のここがおかしい数多くある、マーケティングリサーチ関連の本ですが、執筆者がプロのリサーチャーであるため、いくつかの問題があります。 見方を変えれば、この人たちがマーケティングリサない。
回答料目当てのアルバイトでは?」という疑問を持ってしまいます。 ここで冷静に考えてみてください。
「ネットリサーチプロが行うネットアンケートなのか?」ということを。 答えは「NO」です。
実は、ネットアンケート以外にも、もっと有効なネットリサーチはあります。 プロのリサーチ会社に頼まなくてもネットリサーチはできるのです。
しかも、自分で行えば、回答者の「質」も自分で判断することができます。 本書では、この「自分で行うネットリサーチ」についても述べていきます。
第一の歪みは、マーケティングリサーチの「リサーチ」部分が強調されすぎていることです。 そのため、ほとんどすべての本が、「リサーチ手法」をベースとして章構成されているのです。
何か変だと思いませんか?ここでひとつ再認識してほしいことがあります。 「マーケティングが目的であり、リサーチは手段である」ということです。
従来のように、手法(手段)を勉強して、どのマーケティングシーンに使えるか(目的)を考えるのではなく、「このマーケティングシーンではどうやるべきか」と考える方がノーマルです。


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